波乗りジプシー

サーフィン日記・波情報・サーフギア・おすすめのランチなどを書いてみます。

離岸流カレントの怖さ

毎年この時期になるとこういったニュースを目にするのが残念でなりません。headlines.yahoo.co.jp

 

子供2人が流されて、保護者の男性が流されたのでしょう。

最悪なのが3人を助けようとした男性も溺れて亡くなってしまったいうこと。

いずれも溺死で完全な二次災害です。溺れている人を見つけると本能で飛び込んでしまうのでしょうか。善意が災いして命を落としてしまったら残された家族は辛いですよね。

現場は大根川河口近くの玄界灘の海岸で離岸流の多発地帯です。ちょうど一年前の8月にもベトナム人留学生が流されて死亡する事故が発生しています。

 

サーフィンをしていると離岸流=カレントを利用して少ない労力でアウトに出ていくので、まずは海のカレントが発生している箇所を見つけます。初心者だけでなく慣れてる人でも下手をすると危険な目に遭いますので要注意です。

 

カレントというのはいわゆる波が割れていない場所で岸に向かって打ち寄せる波とは逆方向、つまり沖へ向けっていく潮の流れのことです。

サーフィンではなく泳いでいてカレントに流されると厄介です。泳いでも泳いでも沖に流されていくのでパニックになりがちです。

大事なのは冷静に流れに逆らわず、岸と沖の垂直方向ではなく、岸と並行に横にそれていくことです。カレントは沖方向に縦のラインで流れているのですが、流れの幅というのは限られているのでまずはカレントの流れから脱出することです。

慌てて岸側に戻りたくなる気持ちもわかるのですが、オリンピック級の選手でも流れに逆らって泳ぐことは至難の業です。

流されていく状況の中で冷静になれといっても酷だと思いますが、事前にそういったリスクもあることを頭の中でシュミレーションしておいた方がよいです。

『流されたら横!』急がば回れです。

 

 

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ではサーフィンをしていて溺れている人を見かけた場合はどうするのか?

意識があって溺れている人に近寄ってはなりません。

息を吸いたくて必死になっているので下手に近づいてしまうと掴まれて自分が息を吸い込むために沈めこまれてしまいます。こういう状況になると身内や仲が良いなんてことは関係なくなります。本能ですね。

サーファーであればある程度近づいて、サーフボードを掴めるところまで流してあげるのがよいでしょう。ボードがなければ代わりに浮きになる掴まってられそうなものを投げ入れるようにしましょう。

なにもない場合、助けを待つしかありません。いざ自分の家族が目の前で流されていったとしても待ってられるのか?無理ですよね。狂ってしまいそうです。

一番はカレントに流されない、未然に防止することが大事です。

 

最近、海上がりや散歩で海辺を歩いていると波打ち際に小さな子供を連れている親御さんを見かけます。よく見ていると目を離している時間があったり、下手をすると放置をしている方も多く見受けられました。

海の本当の怖さを知らないのでしょうね。命にかかわることなので痛い目に遭ってからでは遅いのです。

実際に見かけた事案で先週末、台風5号の影響もあり、波が高かったのですが久々に天気が良かったこともあり多くのお子様連れの家族で賑わっていました。

小さなお子様が波打ち際で小さいバケツをもって遊んでいたのですが、バケツを落っことしてしまい、それが引き波で沖へすごいスピードで流されてしまったのです。

その子があわててそのバケツを拾おうと海へ向かって走り始めた瞬間に『危ない!』と思わず叫んでしまいました。間一髪親御さんがお子様を拾い上げたのですが、心臓が止まると思いましたよ。

子供は日ごろからモノを落したり無くしたりして親から叱られます。

その意識が強いので海でボールや浮き輪が流されてしまったら叱られるから取りに行かなきゃ!と、とっさに判断して海に向かってしまいます。流れが強ければ一発で持ってかれてしまいますね。海は日常とは別物の場所なので海に限ったことではないですが、モノが流されても取りに行かない!

まず親に相談してから行動するように話ましょう。

ゴミになってしまうのでそこは状況を見ながら大人がしっかり判断しましょう。

※流されたバケツは岸から見つけ出し無事救出!親御さんにお返ししました。これも立派なビーチクリーン!

 

カレントはほかにも今回の事件の発端にもなった河口付近で、川からの水の流れ込みがある場所の他テトラや堤防近くでも強いカレントが発生します。 

流れの強いときテトラが要注意です。テトラ付近には強い複雑な流れが発生していて、近づくと吸い込まれます。吸い込まれてしまったら下手したら死にます。波が大きいときは特にもう抜け出せないかもしれません。フジツボがびっしりついてたりするので体中血まみれになってる人を見かけたことがあります。

波待ちをしていて流されているのに気づかず、振り返ったらすぐ後ろにテトラが迫ってるときがありました。文字通り死ぬ気で全力パドルです。

普段から心掛けておきたいのが岸側ともう一か所、横方向に目印をつけましょう。流されていることに気付けますし、ポジションキープの為にも大事です。

カレントは上手く利用すれば非常に省エネで便利ですが、テトラや堤防付近は危険ですので初心者は近づかないようにしましょう!

危険を回避してハッピーサーフィン☆

 

 

海の気象がよくわかる本 (趣味の教科書)

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